外国人観光客も来られる「ねぎや陵楓閣」様では、大広間を利用されるお客様に対し、「和」の癒しの空間を提供したいという想いがありました。
「庭」という印象を映し出すよりも「自然観」を醸し出すことで、大広間に落ち着きのある空間ができることを求められていました。
そこで今回はできるだけ自然界に近い景観をイメージしました。
今回の庭造りの課題点は、改修スペースが2階のバルコニーに位置しており、材料の運搬方法や施工場所の耐荷重に制限がありました。
そこで、荷物を上げる際には、瓦を天井に上げる際に使用する「瓦揚げのリフト」で搬入作業を行いました。施工場所の重量についても極力重みの負荷がかかりにくい植栽などを用いています。
そのような条件下での「庭造り」になりましたが、「流木」や「苔」を用いて、立体感と躍動感を見事に見出すことが出来ました。
鮮やかな黄緑色をした「スナゴケ」や「スギゴケ」、「ハイコケ」が庭を緑明るく、そして鮮やかに輝かせています。
大広間の窓に合わせて庭に境界も設けました。
スギ板にバーナーで焦げ目をつけ、自然空間に馴染ませています。
旅館の雰囲気を損なわないように意識しており、広間と庭との一体感が感じられます。
「ススキ」や「アセビ」、「トクサ」に「ヤブラン」など20種類以上のもの植栽が、この庭を色鮮やかに演出してくれています。
これから、「ねぎや陵楓閣」様をご利用になられるお客様に、癒しを与え続ける庭であって欲しいと思います。